ひとつ上のデータ活用で「ビジネス科学」にアプローチしてみた!!

  • 2021年5月21日

こんにちは。

セカンドセレクションのTsujitaです。

私は、データ活用に関する開発業務に携わってきました。現在はセカンドセレクションのデータ活用事業の一環として「仕事へのモチベーションを高める取り組み」を行っております。

今回は「仕事を科学できないだろうか?」という着眼点で記事を書いてみたいと思います。

スポーツ科学は当たり前の時代。ならば、ビジネスマンもアスリートと同じように科学的にパフォーマンスアップをはかることはできないだろうか?そんな思いで「スポーツ科学」になぞらえた「ビジネス科学」というテーマに取り組んでみます。

巷の自己啓発とは異なる「データサイエンスを使ったやりがいへのアプローチ」です。

理想の仕事を科学してみよう

科学とは、一定領域の対象を客観的な方法で系統的に研究する活動です。プロセスとしては、仮説立案、実験、データ収集、分析により研究テーマを多角的な視点からデータに基づいてエビデンス(証拠)を基に議論していきます。

仕事をしている時にPDCAサイクルを回すようなイメージで考えてください。理想の仕事とは自分の好きな探求テーマに関して、科学的なアプローチで取り組めている状態ではないでしょうか?

フロー体験(夢中な状態)

スポーツで、「ゾーンに入る」という表現があるのはご存知でしょうか。

ゾーンとは、集中力が高まり、周りの景色や音などが意識の外に排除され、自分の感覚だけが研ぎ澄まされ、活動に没頭できる特殊な意識状態を指します。その際には、取り組んでいることに没頭し、驚異的な集中力で予想以上の結果を出すことが可能になると考えられます。

「フロー体験」とは、心理的エネルギーを1つの目標に向けて集中して、行動できている状態のことです。先に挙げたゾーンと似たようなものと思ってください。

 まず、私がフロー体験に目を付けたきっかけですが、夢中の人を見ているとすごく生き生きしていて、かっこいいと思ったことでした。なんでこんなにかっこよくできるのだろうかと私なりに考えてみました。

  1. フロー状態の人は、素の自分でいることができる。
    フロー状態の人は、自分の関心の高いテーマに夢中に取り組んでいます。それは、他のことは一切気にせず、余計な力が抜けた状態でいるので、その人らしさが一番良い形で出ている最高の状態になっているのではないかと考えます。
  2.  フロー状態の人は、無敵である。
    物事に取り組むとき、必ず何らかの障壁がでてくると思います。しかし、フロー状態の人は、どんな困難な状況でも、好奇心が勝ってしまい、障壁を跳ねのけ、新しい道を切り開いていくことができます。好奇心はどんな困難にも無敵ではないかと考えます。
  3. 夢中だから続けられる
    物事を成し遂げようとすると、長く続け、学び続けていかなければいけません。フロー状態で探究を進めると、調査し、考え、行動したことにより、また新しく「何でだろう?」が湧いてきます。このように探究のサイクルに入ると、どんどんと面白くなり、夢中で居続けることができます。

 もし、フロー状態に至る方法を知り、自ら環境を作り出せるとしたら、その人は、自分の強みや個性に磨きをかけ続け、生き生きし続けていける、その人にとって、とても幸せなことでないかと思いました。

フロー体験を公式にしてみる

先に挙げた通り、集中力を極限まで高めることでフロー体験をすることができます。
フロー体験をするために必要な要素というものを私なりに3つ挙げてみました。

  1. 目的
  2. Small Simple Step
  3. エネルギー量

これを説明するために、ゲームをする子供を例にしてみましょう。

目的について

RPGなどのゲームには「ボスを倒す」という目的があります。この時にボスを倒した時の達成感がイメージできることが必要です。場合によっては、目的達成をした後に、ワクワクする展開を用意する必要があるかもしれません。

ボスに挑む際には敵キャラクターを倒して、レベルを上げる行為は必須ですが、それ自体は退屈な行為です。しかし「目的」が明確にあれば、子供にとってはそのレベル上げも苦ではないというような感じでしょうか?

この目的意識はビジネスにも通じるところがあると思います。例えば、仕事をするにしても「売上を上げる」という目的の人もいれば、「お客様の困りごとをソフトウェアで解決する」という目的の人、「品質の良いソフトウェアに仕上げる」という目的の人もいます。

どんな目的であってもコミットしているかどうかが重要になります。

目的がなく行動すると、今やっていることは意味があるのか。と途中で不安になってしまい集中できなくなってきます。達成したい目的を強く持ち、達成イメージでワクワクすることで、勇気と推進力が沸き起こり、どんなタスクも11歩、邁進していけるようになります。

Small Simple Step

次に、私が定義した「Small Simple Step」は「敵キャラクターのレベル」だと思ってください。

もしゲーム序盤にラスボスが出てくると絶対倒せませんし、子供たちはあきらめてしまいます。逆に最大レベルの状態で最初に出てくる敵と戦うことは非常に退屈に感じてしまいます。

自分のレベルに適した課題、ゲームで言い換えるとライバルこそが必要だと考えています。

ビジネスマンも同じで、自分のレベルにあったタスク以上の業務を受けたら、心身ともに疲弊してしまうのではないでしょうか?逆にできるかできないかというほどよいチャレンジタスクをお願いされると期待感と達成感を感じられるでしょう。

エネルギー量の可視化

最後に「エネルギー量」に着目してみます。ゲームではキャラクターの体力になります。
子供たちにゲームの主人公のHPが見える状態です。ピンチの時には回復アイテムや体力を回復する宿が設置されています。

では、どうやって現実では、自分のエネルギーや能力値を可視化するのがいいのでしょうか?

次はエネルギーの可視化に焦点を当てていきます。

ビジネス科学的にエネルギーを可視化してみる

例えば学生時代は学力を模擬試験や小テストで測っていました。マラソンなどではタイムで測定されます。では、「ビジネス体力」はどのように可視化できるのでしょうか。

私は、心拍数や呼吸数などのバイタルデータにそのヒントがあると考え、それを調べるためにスマートウォッチを活用してみました。

このデータが一概に正しいということはできませんが、スマートウォッチを付けておくことで、心拍数や睡眠量などを基に自分のエネルギー量を日々データ化してくれます。

スマートウォッチによるビジネス科学

※ここからは実験的に実際にやってみたことを記してみます。

1. データ調査にはGARMIN社製のスマートウォッチを使い、心拍数・呼吸数・HPをデータとして収集しました。以下のような形で心拍数と呼吸数からHPが算出されます。

所感としては、データとしては相対的な指標で十分であり、「感覚とデータに納得性があるかどうか」が重要だと思いました。

実際に仕事で「疲れたな」と感じたとき、HPが下がっていました。たしかに呼吸が浅くなっていたので、深い呼吸を心がけて体力を維持してみようという発見につながりました。

リモートワークが普及して気軽に声をかけることが難しくなってきている中で、HPとして可視化できれば「疲れてるやん。大丈夫?」という声かけが行えるコミュニケーションの補助ツールになりうるかもしれませんね。

2. 考察

  • なんでばらつきが発生しているのか?
  • 休み前は興奮するのかな?
  • 欠損値はどれくらいあるのか?
  • データ数はどれくらいあるのか?
  • 時間毎の状況はどうなっているのか?
  • 中央値が高いときと低い時があるのは何故?

普段は計測しない心拍数と呼吸数を計測することで、意外に睡眠がうまくできていなさそうという新しい発見がありました。回復をもっと意識するにはどうしたらよいだろうか?1日のHP下げ幅が少ないところがあるので、もっと充実した1日にするため、スモールシンプルステップをもっと明確にしていけばどうだろうか?今は、そんな課題に直面しています。

3 . 今後の展望

  1. フロー状態の心拍数の状態を把握したい。
  2. その状態でいるときに影響している要因を把握したい。
  3. 環境要因をコントロールし、フロー状態を得やすくしたい。

というようなことを考えています。とはいえ、まだ欠損値が多く、データ収集としてはこれが現実的なので、データクレンジング等が必要だと思いました。

データクレンジングについて

データクレンジングは例えると、料理でいうアク取りみたいなものです。

一般的には、欠損値、外れ値、異常値等、データがうまく取得できないことが多々あります。

分析の前には、集めたデータの特性を一つ一つ考え、データの取得方法を見直したり、異常データは、削除したり値を置き換えたり対応します。データクレンジングは非常に手間であり、根気のいる面倒な作業ですが、このような作業をないがしろにすると、正しく判断できなかったり、最悪は打つべき施策を誤ってしまいます。

※今回のケースでは、データがうまく収集できなかった時間が多々ありましたので、就業時間内のHPの消費量を見てみようと、9:30、18:00の周辺の値のみを抽出して対応しています

まとめ

今回は実験的に自分の状態をもとに、データサイエンスでフロー状態を定義することに挑戦してみました。

データ活用の事始め部分で、ここからまた仮説を立て、改善し、効果を測定するというサイクルが始まります。私が思っている「データ活用の醍醐味」は、自分の立てた仮説が客観的データでフィードバックされる点で、自分にあった方法を試行錯誤、学習できることです。

今では、いろんなセンサーが開発され、自由に簡単にいろんな対象を観測できます。私はこれからもっとお客様のいろんなテーマに沿ったデータを収集、可視化、分析をしていき、お客様の事業をサポートしたいと思っています。

長文を読んでいただきありがとうございました。

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